日記7

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3月30日 ダメダメベビーシッター

夜の11時に娘と遊んでいた。腕を引っ張るとヘンな音がした。娘が泣いた。「よしよし」とダッコすると泣き止んだ。玩具をやると左手で取ろうとした。右手はダランと下がっている。右手に触ると泣き出した。ダッコして泣き止む。娘が好きなビニールや靴下をやるが、左手しか使わない。右手はダランとしている。女房は風呂に入っている。見つかるとヤバイと思い、いちおう娘をテーブルの下にやる。…考えても、なんの解決にもならないので風呂から上がった女房に言う。女房が青ざめる。翌朝、まだ右腕だらん。電話帳で小児外科。タクシーでゴー。「肘が外れてます」10分おきに先生が腕をはめる。アンバンマンとバイキンマンを娘の前で振る。3回目で少し右腕動く。はまったみたい。ほっ。買い物して帰った頃には両手で玩具で遊んでいる。以後注意します。

3月29日 「ときメモ」と「ガンパレ」でもよくやった。

歯医者の予約表をみたら今日だと思っていた予約が昨日だった。たたみに膝から落ちた。先週は寝過ごして大遅刻し、あれだけ痛い目にあったにもかかわらず、またしても。今度こそ遅刻しないようにとカレンダーに書き込んだ時点で、もう間違えていた。

前回平謝りした挙句このザマなので、もう「二度と遅れません」とも言えず、とりあえず「日時を間違えて…」と電話をかける。違うんだ、フロイトによると痛いのが嫌だから、行きたくなくて、無意識が行くなと…俺じゃない、痛いのが悪いんだ。歯医者の痛さと、すっぽかし率は比例するに違いない。

3月28日

ああーっ、先週神経が腐って抜かれた、俺の親知らずが、穴からヤバイ臭いがするので、時々嗅いでトリップしようとドラッグ代わりに引き出しに入れておいた親知らずが、カビのかたまりになってる!

3月某日 かつれ幼女

うちの娘ちゃんは他人が何か食っているのを見ると、すぐにわーわーと騒ぎ出す。大量のよだれを垂れ流す。自分も食べたいらしい。しかし6ヶ月の幼児の舌は敏感だ。大人では到底感じる事の出来ない甘味、苦味が分かる。だからベビーフードにはほとんど味が無い。…でもまぁ納豆くらいならいいか。と思って少し口に入れてやる。

とたんに目を飛び出して、舌を両手でしごきだした。そんなに嫌いか???…あっそーか!カラシを入れたんだ。むむむ、すまん。その後哺乳壜の水をイッキ飲み。

3月23日 激痛

「歯医者の苦痛とは恐怖の苦痛だ」と『愛国殺人』の中でエルキュール・ポアロが言った。だが、いま通っているH歯科は本当に痛い。痛いと恐怖も倍増だ。

行く前は「なぁに、歯なんか『グラップラー刃牙』じゃボロボロ折れてる」と強がったものの、ドリルが歯の中心に近づくと、激痛で全身がこわばり、ドリルを避けようと椅子に沈みこみ、舌がガードしようと出て医者に注意される。刃牙よ、俺の歯を折ってくれ!

途中、先生が器具に頭をぶつけ「あ痛ーっ、あ痛ーっ」とうめきながら削りつづけた。

震える足で歯医者を出て帰り道、「シャトレーゼ」でシュークリームのセールをやっていた。二つ買った。なぁに、歯なんか「餓狼伝」じゃあバンバン吹っ飛んでる。

3月8日 大発掘

実家には、俺が小学生の頃から買った漫画本がある。いろいろ発掘しようという目論見は、本を箱詰めされ別宅に移されていたことと、風邪のため儚く消えた。

ただ残り滓が少しばかりあって、中には桑田次郎の「怪奇大作戦」(サンコミック)という掘り出し物も。今見ても、絵の上手さに惚れ惚れだ。

ますむらひろしの「ジャングルブギ」もあった。初期の短編が尖がってる、尖がってる。狂ってるというか、冒険しすぎて自爆だ。こういうのを読むと漫画描きたくなるなぁ。

3月7日 39度もー

俺の実家へ帰った。

熱発して布団から出れなくなった。長谷川は熱に大変弱い。38度くらいで死にそうになる。元看護婦のマザーが座薬を入れてやるといった。自分で入れると言った。「入れられるもんか」と言われた。「入れられないわけがない。俺は小学生の頃から肛門に指がどこまで入るか、風呂で試すのが趣味なのだ。」…ということを言い争う気力も無い。

ドスの効いた声で「はい、もーして!」と言われた。(「もー」は四つん這いでお尻を突き出すポーズの幼児語) 「なんで尻毛のはえた大人に」と思いながら、もーした。座薬はすごく効いた。

3月1日 まず手始めに、ちょいと百円貸してくれ。

女房の実家へ行った。

都会から偉い漫画家の先生がやって来たと言うので村を上げての大騒ぎ。

講演会で「漫画を書くのがイカに偉大な芸術活動か」をぶち上げた後は王塚古墳の上で地元の名士と酒盛り。寝所には毎晩、村の若い娘がやってきた。

とても楽しかった。

2月27日 左回れ

「おえうーっ、えううーっ、えうーっ」 「動けないの?」

「おえうーっ、えううーっ、えうーっ」 「自分で入り込んだんでしょう?」

「おえうーっ、えううーっ、えうーっ」 「反対に回れば抜けられるんじゃないかな」

「おえうーっ、えううーっ、えうーっ」 「しょうがないなぁ…よいしょっと」

移動手段が寝返り(右回転)しか無いというのはかくのごとく不自由なのだ。

2月26日 看破の理由

バタバタと慌てて小説を探していると、女房に「うんこ?」と訊かれた。

「なんで分かった?」

「だって防寒してるじゃない。」

…本も防寒着も便所と関係ないのに。なんか口惜しい。

2月23日 獣の列島

確定申告に行こうとしたら、自転車のそばに犬だかネコだかがいた。

よく見るとタヌキだった。野良らしく随分汚い。なぜ住宅地に…でも一応千葉だしなぁ。2、3年前に松戸駅前の車道を2メートルに達するヘビがくねりながら横切ったのも見たし。タヌキは徳光の自転車の陰からじっとこちらを見ている。イジメられてでもいてくれたら助けて恩返しさせるのだが。しばらく見つめあった後、税務署に向かった。

税務署の人たちがみんなやたら親切だった。…化かされたか?

2月14日 もっと「地上の星」

NHK「プロジェクトX」は南極観測隊と宗谷のエピソード前編だった。

昭和31年。日本中が観測隊を南極に送ろうとした。子供は小遣いを募金し、ホンダが東京通信工業(ソニー)が、無償で協力を申し出た。1000社もの企業が後押しした。いい話だった。目頭が熱くなった。…でも、

「ダッチワイフは?ダッチワイフの開発秘話はしてくれないの?」

2月9日 怪しい隣人

アパートの入り口に「406号室の○○、借りた金を返せ。○○アイ企画」という張り紙がベタベタ張ってあった。406号は徳光の真上の部屋だ。ちなみに徳光の真下の206号は、ペット禁止にもかかわらず4、5匹の座敷犬を飼い、勝手にドアの色を塗り替え、一晩中数台のタクシーが泊まってもうもうとタバコの煙を上げながら麻雀牌の音をさせ、食い残した出前をそのまま外に放置している怪しい部屋なのだ。

「下の奴が上の奴に金を貸しているんじゃないのか?」 普段は他人のこの手のトラブルを笑って見ている徳光も、さすがに近すぎて不安そうだ。

でもまぁ、向こうにしてみれば俺たちも昼間っからブラブラしてガチャポンなんぞやっている怪しい隣人なのだけど。

2月8日 マクドナルドにて

マックでフェア中のてりやきチキンカツバーガーを食っていると、女店員が寄ってきてうちの娘ちゃんを「ちょっと抱かせてください。」といってベビーカーから抱き上げた。「まぁ!なんて可愛らしい」 さもありなん。うちの娘ちゃんはかくの如く可愛らしいのだ。

だがべつに人間に限ったことではない。ニホン猿の群れでメスが子供を産むと、回りの猿が次々と抱かせてくれと頼みに来て、時には順番待ちをしている姿を見たことがある。

電話で乃美が「今だけだぞ。今がピークだ。1歳半にもなると誰もそんなこと言ってくれなくなるぞ」 そうなのか?そんな気もするが…

2月3日 鶏鳴狗盗(けいめいくとう)ではない!

「単行本の表紙をCGで塗りたいんだが」と相談したところ、植村くんがやってきた。

「まずCD-Rを取り付け、メモリーも拡張しましょう。windows98のディスクは?」 「あ、乃美に貸してる。」 「大丈夫、そう思って用意してあります。」 がちゃがちゃブーン

背景とキャラ2枚に分かれていたレイヤーをあっという間に18枚に分割して作業を進める。「この遠景はピントをぼかしましょう。」 スゲーぜ、植ちゃん。これまで、たまぁぁぁぁに飯を食わせて、とり基金を融資した甲斐があった。いい食客だ。

ゴジラ

民放でアニメ「ゴジラ」がはじまった。

前に「気の短い徳光向き」と書いたもんで、徳光が見たところ「つまんねーぞ」と文句を言った。

この程度で喜ぶと思われたことで、オタクのプライドが傷ついたようだ。うるさいな、つづけて見ればはまるんだよ。だいたい君は最初から怪獣がでるから「怪獣総進撃」が一番好きだと言ったじゃないか。それはオタクじゃなくて子供ではないのかい。

1月28日 豪雪にて

今日は大雪。撮影は中止になった。しかし、どーせ駅に行く予定で、昨日「ディープブルー」とエロビデオを駅前のレンタル屋で借りていた。返しに行かねば。

午後7時というのに人影は無い。50メートルも歩くと雪だるま状態になる。雪粒が顔にバシバシ当たって痛いので、口を大きく開けてはぁはぁ息を切らして、人跡未踏の新雪に膝下まで埋まって歩く。片道30分かけてレンタル屋に着いた時には、転ばないように緊張していたため、ふくらはぎがブルブルと震えていた。再びエロビデオを借り、食いつくような冷気の中を帰途につく。明日になれば絶対に考え直すだろうが、延滞料金を払いたくないために、ここまでする俺ってカッコイイなと思う。今、俺を撮ってくれ、コッポラ。

1月27日 撮影前日

怒飛雄から電話があった。「明日、映画を撮ります。上野で公衆の面前で踊ってください。」

監督の命令なら仕方がない。だが髪がボサボサなので、せめて床屋に行こうと思った。入って10分で整髪は終わった。店員が合わせ鏡で後ろ髪を見せる。「これでよろしいでしょうか。」

おうわぁ、てっぺんの毛がいつの間にかこんなに薄くなってる!

思わず「だめです!」 と言いかけて肩を落とした。

1月17日 インセストタブーがどーした

入浴中に娘にセクハラをするのが好きだ。

新生児は雑菌がつくのを怖れて、みんなベビーバスに入れたりしてる様だが、お袋の「べつにいいんじゃない」の言葉をタテに産婦人科退院と同時に一緒に風呂に入っている。体を洗う時に「うへへへへ」と変態と化して全身なでまわし、風呂の中ではヘソをペロペロ舐める。出べそを吸うと、なんかナマ暖かい巨峰のようなグニャグニャしたものが口の中で転がって、脳がトリップするほど気持ち良かったのだが、出べそが治ってちとガッカリだ。

ところが、そんな事をやっとると時々、娘が風呂の中で脱糞する。ボフッという音とともに茶色いモヤモヤが浮いてくる。

「うわああああっ、お前はパゾリーニかぁ。」

温まらずに出すと、風邪をひくので仕方なく、しばらく糞風呂に浸かって、シャワーで洗って出す。もちろんその後、自分も

「いやあああああああっ」っと泣きながらシャワーを浴びる。仕返しなのか?やっぱり。

1月16日 倫理学なら手が届く!―と彼は言う

テレビで松坂牛の特集をやっていました。苦労して作り上げた肉質を見て徳光は「でも焼き肉の味ってタレの味だから、結局同じジャン」と言いました。んで僕が「ぷぷっ」と笑うと、急に真顔になって「最近どうも俺のことを見下しているだろ」とか言うじゃありませんか。

きっと先日「先代の桂三木助ってそんなにすごかったのか?」との問いに「すげー上手かったけど、君が聞いても『つまんない』って言う」と答えたのが気に障っていたに違いありません。(本当だろ)

だって君は尊敬を集めるようなこと言ってないじゃないか。焼肉はタレだのと。

「ヒューマニズムとは俗化した宗教である」とでも言ったのだったら、もちろん…鼻で笑うさ。

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