映画ギャラリー3
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「ゴーストドッグ」 ジム・ジャームッシュが武士道(葉隠れ)に傾倒した黒人の殺し屋を描く。 やたら一般人の車を盗んだり、服を奪ったりするあたり、武士道なのかよくわからんけど、なんとなく求道的でカッコよくはある。つっこむところは山とあれど、面白いのでいいです。 対抗するマフィアの人たちもリアルに弱い。老人が多かったり、組織の溜まり場の家賃が払えず、大家に悪態をつかれたり、階段を上って息も絶え絶えだったり。ハリウッド映画とはやっぱり違うな。 |
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「ミステリーメン」 チャンピョンシティを守る正義のヒーロー、キャプテン・アメージングが悪の天才科学者カサノバ・フランケンに捕まった!何年間もヒーロー目指して戦って負けつづけた駄目ヒーロー予備軍がキャプテン奪還を目指し悪の組織に挑む。 悪の科学者は「シャイン」のアカデミー賞役者ジェフリー・ラッシュ(最近やたら見る)。父親のガイコツ入りボーリング玉を投げるボウラー。マイホームパパのシャベルマン。母親にヒーローをひた隠すブルーラジャ。キャラクターがみんな良いのだ。楽しいな。面白いな。 ヒーローの名前も、だんだんわけわかんなくなって、「頭突きプリンセス」だの「情緒不安定リベンジャー」だの、センスが乃美っぽい。でも作りは真面目だ。いい映画なので、よかったら見て下さい。 |
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「オープン・ユア・アイズ」 スペインSF映画。女たらしの金持ちが女の恨みを買って交通事故にあい顔が醜くなる。そこから現実と虚構が入り乱れて、冷凍冬眠の話が出てきて、一度死んだはずの女を殺したりする。 数年前に俺が描いた「女房殺しは世界を救う」と内容が似ている。しかも、その漫画を焼きなおして冷凍冬眠を題材にしたネームを描いて、ビジネスジャンプに持ち込んだりしたので…ガッカリだ。 べつに、この映画に先を越されたから「ガッカリ」ではなく、こうやって他人の作品として見ると、よく似た話がたいして面白くないのが「ガッカリ」なのだ。主人公が嫌なヤツだし、ネタも、その手のが好きな人には月並みなのだなぁ。俺の漫画にも共通する特徴なので、反省せねば。 |
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「ディープブルー」 半ば水没した部屋の中、ノロノロとしか動けない人間に猛然と襲いかかる鮫。悪夢のような状況が延々と続く。 遺伝子操作によって知能が発達した鮫という、フランケンシュタインのテーマかと思いきや、中身はひたすら純粋ショッカー映画。相変わらずワビもサビもない演出だが、時々ホラーの定石を外すとこなどユーモアというか余裕を感じた、レニー・ハーリン久々の快作。ジーナ・デイビスと別れたのが良い目に出たのだろうか。 あー恐かった。 |
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「橋の上の娘」 パトリス・ルコント監督。前回アクションコメディー「ハーフ・ア・チャンス」は、普通のデキだったが、これは面白い。やっぱりルコントはこんな登場人物の奇妙な心の動きを描いたほうがカッコイイ。 ナイフ投げの曲芸師が、橋の上から身投げしようとしている女に話しかける。的になってくれる相方をこうやってスカウトしていた。男と女がこうやって不思議な縁で結びつく。ここで語られるのは人間の運。ナイフに当たらない運。ギャンブルで勝つ運。「ナポレオン」の伝記を読んでいたとき、運を持った人間はいるものだと思った。(奥さんのジョセフィーヌのこと) 運があると、そして失うと人はどうなるのか。 最後はああなるのかな、こうなるのかなと想像する。ああ、こうなるのか。ストーリーの勉強になるなぁ。 |
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「セレブリティ」 W・アレン脚本、監督。「セレブリティ」は「有名人」の意味。女房と別れた売れないライター(ケネス・ブラナー)が、乱れた女関係を泳ぎながら映画の脚本と小説を売り込もうとする。ブラナーがアレンそっくりのしゃべり方をするが、一応ブラナーなのでけっこーモテる。でもダメ人間。 売れない境遇は、身につまされるものがあるが、売れないライターはこんなにモテないだろー。現実感ないぞ。それともアメリカじゃあ違うのか。離婚して女はたくましくなるが、男は底無しに落ちて行く。ミア・ファローへのフォローだろうか。 アレンのいつもの調子なので、アレン映画が嫌いな人には、デカプが出たってダメだろな。 |
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「GO!GO!ガジェット」 昔のマンガ原作のディズニー製どたばたコメディー。マシュー・ブロデリックが勝手に体をサイボーグ化された警官になって、悪の組織と戦い(悪役はルーパート・エヴェレット)、女科学者を救い出す。 キャスティングはいいのに演出がダサイ。ギャグマンガをそのまま実写化すると大げさな動きでばたばたやられてしらける。「スーパーマン」くらい渋く押さえた方が面白いと思うんだが…(ルーサー役のジーン・ハックマンは真面目に演じてて可笑しかった。)…ディズニーは子供向けのサービスをしたがるから。 指先からポンポン飛び出す秘密兵器もあまり役立っていないのが悲しい。乃美がマンガ化した方が、絶対面白くなるって。 |
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「ボーン・コレクター」 デビューしたてで「カメレオン女優」とまで呼ばれるアンジェリーナ・ジョリー(口元が父親J・ボイドそっくり) とD・ワシントンが共演。どっちも負けてない。 揺り椅子探偵の現代版は全身麻痺になった刑事。クライマックスはヒッチコックの「裏窓」調。話がゆっくり進むので、けっこう恐い。やっぱりサスペンスの演出は時間がかかるのだな。内容はかなり残虐。 オチは大して力を入れてないので、「セブン」のように残酷な殺し方や、殺人タクシー、二十世紀初頭の廃墟などといったどす黒い雰囲気を楽しむ映画なのだ。その意味で十分楽しかった。 |
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「ミッション・トゥ・マーズ」 ディズニーの分家、タッチストーン製作なのでデ・パルマ監督のアクの強さを期待すると肩透かし。それなりにまとまっているので2時間退屈はしないが、SF作品として見ると古臭い。それでも遠心分離機のような宇宙船の中を長回しでカメラ移動したり、T・ロビンスがどーにかなるとこなど、良いシーンはありました。 ラストに出てくるエイリアンは、見た目は優しいが、やってることはそーとームチャクチャ、それを「当然の自衛行為だ」と納得するG・シニーズが、やばくて、よろしい。 |
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「ラスベガスをやっつけろ」 テリー・ギリアムが狂った。 うーん、ストーリーらしいストーリーは無い。ベガスにレースの取材に行った記者。だが冒頭から終いまでヤクでラリっている。幻視のできる数少ない監督だったのだが、アシッド・ムービーを撮ると、幻視がまともに幻視となって面白みがなくなるのではないか。カルトとしての魅力はあるのだろうか。僕にはわかりません。 ジョニー・デップのラリパッパ演技は「12モンキーズ」のブラッド・ピットの馬鹿演技に匹敵。 |
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「ライフ・イズ・ビューティフル」 戦時下のイタリア。収容所送りになったユダヤ人親子。親父は幼い息子に「いい所に行く」と嘘をつく。よくある話だけど、スゴイのは、収容所に着いてからも嘘をつき通そうとするところ。「みんなゲームをしているだけなんだ」とこまかしつづけ、過酷な現実から息子を守ろうとする。 「ひたすらゴマかす」という、コメディーのシチュエーションを使って感動のドラマを作ったベニーニは頭いいな。ホロコーストを扱っていても、映画の中で、ドイツ兵への恨みつらみを言うシーンが無い。このため、美しいホームドラマとなっていて「見やすい映画」だ。前半はラブコメ仕立てで楽しいよ。(伏線が…) こう説明すると、甘っちょろい理想主義の映画と聞こえるけど、それはないです。 |
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「奇蹟の輝き」 交通事故で死んだ男は、天国へ行くが、残された妻が自殺し、地獄へ落ちたと知ると、妻を救い出しに地獄へ行く。 「愛と感動のストーリー」風だが、原作はホラー小説界のカリスマ、リチャード・マシスン。いわゆるキリスト教的冥界だが、そこは説明好きのマシスン、アレコレ論理立てて一般性を持たせている。ではこの映画が一般的に面白いかというと、そうでもない。でもあの世を真っ向から描いた、という点とCGの見事さで、立派なカルト映画にはなっている。 個人的には、マシスンだったら天国よりも、地獄を克明に描いて欲しかった。その方がよりカルトなのにねぇ。…メジャー映画にしようとしたんだから仕方ないか。 |
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「I LOVE ペッカー」 生憎、ボクにはカルト映画の金字塔、「ピンクフラミンゴ」のどこが面白いのかさっぱりわかりませんが、同監督の「シリアルママ」は文句無く面白かった。 つづくこの映画も小品ながら良かった。 地方都市の無名の少年ペッカーが、母親から貰ったカメラで写真を撮りまくり、(ああ、俺もこんな風に現像代を気にせず撮りまくれたら) その写真が有名になって…。よくある話が、素人のバケの皮がはがれて、元の木阿弥、なのだが、そうはならない。ウォーターズ監督が好きなパーティー終わりで後味が良い。見た後、カメラを持ってうろつきたくなる。 |
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「恋におちたシェークスピア」 ウェルメイドコメディの傑作。徳光、これを見て泣け。オタクも年寄りもミーハーも、誰がみても楽しめる、こういうのをプロの仕事と言うんだろうな。爪の垢をくれ。 作者が全ての登場人物に愛情を持って書いている。見ていて気持ちが良い。脚本が緻密なので、クレジットを見たら、脚本家の二人目にトム・ストッパードがいた。この人、本当にシェークスピアが好きらしい。「ローゼンクランツ…」のようなシニカルなモノだけでなく、こういうハートウォーミングな脚本も書けるところが恐ろしい。 この時代、詩人たちが「自由恋愛」を謳いあげたことが、革命的だったことも、ちゃんと描けているのだ。それにしても、ベン・アフレックはたくさん仕事しているなー。 |
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「ファイトクラブ」 これでもかというほどインパクトのある演出。それに輪をかけて、頭をしぼった脚本。 中盤から話はシュールな飛躍を見せるが、展開に無理を感じない。しかも、セリフに説得力があり面白い。恐ろしいクラブでありながら、見た人間は入りたいと思うのではないか。人間の本能に訴えかける映画の力強さに圧倒される。時々入るモノローグは詩のように、アタマに響く。 最近のハリウッドメジャーで現実世界を、ここまでグロテスクにデフォルメするのは珍しいのでは。個人的には「セブン」よりかなり面白かった。 |
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「バッファロー’66」 この映画、オシャレさんたちのモノといったイメージが付いたので、つい憎んでしまうが、映画自体の責任ではないので、やめとけ、オレ。内容は全然オシャレではない。開幕早々トイレを探しまくる主人公、やたらムチムチした(僕好みだけど)頭の弱そうな、でも優しいヒロイン。こういうカッコ悪いのが、現代のカッコ良さなのか。ちいっ。 その代わり演出は挑発的。へんなカットバックに、へんなテーブルの撮り方。写軸なんて気にしない。親父の歌や、リッチーのダンスに突然スポットライトが当たったり。要は演出がオシャレなのだ。それにしても、この永遠の少年とも言える、自分勝手な主人公。男の嫌な面を濃縮したみたいで、見てて気が滅入る。 すでに有名だったギャロは、何が何でも処女作を挑発的にする必要があったんだろうな。プレッシャーの中、それなりの成果を出したのは頭が下がる。26歳のオーソン・ウェルズが「市民ケーン」を撮った時と似てる…のか? |
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「アルマゲドン」 特殊撮影以外、映画として質が低い。特に脚本。製作者の気まぐれで訪れる危機と、感動的なシーンをつないだ様。この映画を批難するより、人間ドラマでなく、事件を中心に据えた作品への教訓と思いたい。「大空港」「タワーリング・インフェルノ」であれば、文明、人間のおごりに対する警句のテーマが浮かぶが、隕石が降ってくる話からはテーマが浮かびにくい。カタストロフの地獄を見せないのであれば尚更だ。地球を救う英雄の採掘人たちも、描き方が浅く、「やるんだ」を繰り返すだけ。宇宙で肉体労働をうまく見せられない…ので映画的に「頑張り」が出ないのか。デジタルカウンターでサスペンスを盛り上げられても… かなり評判の良い、イーストウッドの「スペース・カウボーイ」はキャラクターがはっきりしていて、テーマも「イカス老人たち」と面白そうだ。あっちではどう描いているのか、期待しよう。 |
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「ベニスに死す」 回数だけに限って言えば、今まで一番見返した映画は「ジョーズ」「雨に唄えば」「ベニスに死す」。「ベニス」は見返すたびに発見がある。ところが先日、NHKで放送したモノに初見のシーンがあった。(どうやらノーカットだと思って短縮版を見ていたらしい) アッシェンバッハの回想シーン、指揮が終わったアッシェンバッハに観客からブーイングの嵐。楽屋に逃げ帰る場面。 「美は努力と研さんによって産まれる」「芸術家は他人の手本となるべき」を信条に、毎日、早起きして冷たいシャワーを浴び、勤勉を続けた男が、「老い」によって全てを失ったシーン。 「編集王」のマンボ好塚が、売れっ子になって、自堕落な生活に陥り、駄目になる…という理由づけのある堕落にくらべ、なんとも恐い、逃げ場のない残酷なテーマ。 それにしても、ことごとく師に反対意見を唱え、ぼろくそに言うアッシェンバッハの弟子。あまりの無礼さに、「本当はこの男は実在しない、アッシェンバッハの心が生んだ幻覚ではないか…とすら思いました。 |
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「パラサイト」 「盗まれた町」と「ヒドゥン」を足した話。 でも近いのは「遊星からの物体X」。 田舎町の人間が宇宙生物に乗っ取られていく。 昔の映画だったらちょっとづつ、「変だな、変だな…」 でもこの映画は、いきなり主人公の目の前で、人間がやられちゃう。 あっという間に(一日で)学校が征服される。 とにかく展開が早い。 さっきまで人間だった友達が、次の瞬間どっちなのか分からなくなっている恐怖。 「人形使い」と違って、この生物に乗っ取られた人間は、わりと感情が残っていた。 ダサかった女が綺麗になったり。わりと乗っ取られるのもいいかも…と思わせる。 もうすこし揺らぐキャラがいても良いのでは。 見慣れた話だったけど、楽しかった。 |
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「ラン・ローラ・ラン」 面白いなー。「びゅーっ」とローラが走って行くと、すれ違う人間のその後を「ぱぱぱっ」と写真で映す。 結婚するヤツ。寂しく一生を終わるヤツ。犯罪に走るヤツ。 もう一度ローラが同じ道を「びゅーっ」と走る。今度はさっき結婚したはずのヤツが、クスリで惨めに死んでいる。寂しい女が、相手を見つけてSMプレイにのめり込んでる。 これを5秒くらいでやる。 「人生やりなおし」みたいな映画は白黒の頃もあったけど、スピードがちがう。音楽が違う。 だっ、とローラが駆け出すと、カメラが追っかけてローラと違う方に曲がる。曲がった先の部屋にはテレビがあって、画面の中でローラが走っている。それがアニメのローラ。 ちょっと昔の主題に、新しい、モダンな感覚。 面白い映画だな。お金かかってなさそうだな。 アイデアだけで映画はいくらでも良くなるんだな。 |