映画ギャラリー4

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「サウスパーク・劇場版」

友達の杉原君にいつもテレビ版を見せてもらっているが(感謝!)、最初からR指定を狙ってか、テレビより過激な内容。

ワイ語連発もさることながら、地獄のサタンをも従える最大の悪役がフセイン大統領。しかも写真を切り貼りで動かしたもの。マラのハリカタを持って、サタンに「やらせろ、やらせろ」と迫りまくる。制作のトレイ・パーカーは命の危険をおかしてギャグをやっている。

内容はワイ語だらけのカナダ映画にキレたPTAの父母が、政府を動かしてカナダと戦争をはじめるミュージカル。

ガタガタと動くアニメーションはテレビ版と同じ。では低予算かというと、ケニーが死んで地獄に落ちるパノラマシーンでCG使いまくり。ひとむかし前の「うる星やつら」などのアニメーター暴走のシーンを見るようで気持ち良い。

笑うというより、いっさいの人情を排除したイカした映画。モンティ・パイソン好きに。

「リプリー」

脳天気でお耽美な犯罪映画だった「太陽がいっぱい」のリメイクだが、とてもそうは思えない別物。

心のダークサイドの描き方といい、次々と起こる皮肉な展開といい、原作のパトリシア・ハイスミス風味が強い。憧れの人物に愛され、同化することが殺人の目的ならば、なるほどトム・リプリーはディッキーよりブ男でなくてはならない。旧作のトム=アラン・ドロンではそうは描けないので、金目当ての犯行であった。

緻密な構成に、うめき声が出るようなハラハラ感。これほどデキのいいサスペンスは久々に見た。

それにしてもかって旧作を「同性愛映画」と評した淀川長治…嗅覚よすぎ。

「海の上のピアニスト」

船の上で生まれ、一度も地上に下りたことのないピアニストの話。

「俺の夢は舳先から船尾までだ。船をおりたら何をしたら良いのかわからない。」

乗船客の女に一目惚れした時も、夜中にそっと寝顔にキスをしにいく。「笛舐め」みたいでかわいいが、犯罪だ。文芸っぽいかと思えば、ジャズの生みの親と、漫画みたいなピアノ対決したり、アインシュタインと写真に写っていたりと馬鹿っぽい場面もあって楽しい。

金がかかった豪華な映画で、ラストもじんとくる。同監督の「ニューシネマ・パラダイス」に似ているが、どのへんがかは言いまへん。

「ストレイト・ストーリー」

病気で倒れた兄を見舞うため、腰の悪い老人がトラクターで数百キロを旅する。実話らしい。デビット・リンチ監督が何故こんな感動作を…とも思うが、次作はいつものキレっぷりらしいので、たまにはいいか。

オープニング、家の中で人が倒れる音がする。だけどそれに気づかず隣家のオバサンはのほほんと日光浴の準備をしている。呼びに来た近所の爺さんはのろのろと家の周囲を回っている。ちょっと緊張感あるシーンをダラダラダラダラ撮る。見ててイライライライラ。ここはいつも通りのリンチ。

淡々と進むのがいい。会話が少ないのもいい。歩くようなスピードで数週間かけて老人ならではの旅。痛々しくも、こう老いたいと共感。

主役のファンズワースはこの撮影の後、病気を苦に自殺。本当に足腰立たなかったのね。次はいつものリンチ作品が見たい。

「サイダーハウス・ルール」

孤児院で生まれ、孤児院しか知らずに育った青年ホーマー・ウェルズが外の世界に出る話。

孤児たちを育て、親を斡旋する院長(M・ケイン)。院長と深い愛情で結ばれつつ、彼の行なう堕胎手術に嫌悪感を持つホーマー。孤児院とリンゴ園の二つの世界が平行して描かれ、シリアスな現実に淡々と向かう二人が見ていて気持ち良い。若者の旅立ちと言うテーマも、見事に文学的普遍性を持たせてある。

映画館で見たら泣いちっただろうなー。あー思い出すだけでぐっすん。院長が「仕事で」子供達の面倒みてると言いながら、信念があるのがいいんよ。

それにしても、トビー・マグワイヤ…。なんとなく若い頃の西山に似てるくせに、泣かせる。

「マルコビッチの穴」

赤塚不二夫や、とりみき、いがらしみきおのナンセンスギャグを期待したら意外とまともでちょっとガッカリ。奇抜な発想がウリなのに処理をまともにするのが新しいのかなぁ。恋愛がらみがウザイ。

15分だけジョン・マルコビッチの頭の中に入れる穴を見つけた男が、200ドルをとって「あなたも別人になれる」の商売をはじめる。「うっそー」「信じられない」…といったお決まりの退屈な会話が無いのは嬉しい。

後半がゴシックホラー風で…設定の背景なんかいらないじゃん。

「ナインスゲート」

巨匠がホラーを撮ってくれて嬉しいのは、ウザイ演出が無いこと。

サスペンスを盛り上げようと、足場のネジがゆるむとこなんかをいちいちアップで見せられたりすると、「うるせー、どうせ助かるんだから、はやく筋を見せろ」とイラつく。三流に限って長々とやるんだから。映画学校の生徒か!この映画にはそんな馬鹿な演出は在りません。

ポランスキー監督の「ローズマリーの赤ちゃん」以来の悪魔モノ。本の探偵が希講本をめぐるオカルト殺人事件に巻き込まれる。怖くないのと、ラストの腰砕けが難点ですが、シンプルに撮って雰囲気もあって、テンポも良くて、僕は好きです。この映画。それにしてもタバコと酒がやたら出るな。ポランスキーの中じゃカッコイイのかしら。

「アメリカン・ビューティ」

中年男が娘のクラスメートに夢中になる、と聞いただけでは「いいじゃん、べつに」くらいのものだが、映像で見せられると醜態が見ていてつらい。「サンセット大通り」のような空しさがあるが、それを意識してか冒頭が死者のモノローグ。パロディーか。

家庭崩壊の映画と言えば「普通の人々」を思い出すが、あちらのパパはなんとか、崩壊を食い止めようと頑張るのに、こちらは坂道を滑り落ちるかわりに、嬉々として駆け降りて行く。たった20年の違いというのに。時代が映画を作るのだなぁ。

ラスト近くで、いい話にまとめようとする展開には首をひねる。風刺からファンタジーに移行したかったのかな。普通に面白かったです。

「ニコラ」

NHKでやった「運動靴と赤い金魚」がたいへん良かったので、子供が主人公の映画を借りた。

こちらは暗い妄想少年。普通の素直な大人しい子供。でも何かに怯えている。遊園地で弟が誘拐され、父親にプールへ突き落とされ、雪の中車に閉じ込められる。家族のゆがんだ愛情のせいで、神経質になった子供の現実と妄想が入り乱れる心が描かれる。

子供社会の緊張感…合宿でおねしょうしたらどうしよう、親に送ってもらってみんながどう思うだろう。…を思い出した。大人になって良かった。

ホラーやサスペンス映画ではない。黒い「中学生日記」みたいな感じ。量的に食い足りない感はあったが、寒々しい雰囲気は良かった。

「ノイズ」

まず冗長なので、無駄なシーンを削る。すると45分くらいの作品になる。で、「アウターリミッツ」のワンエピソードとして流す。と、おれに「今日のは普通だったね。」と言われる…ような映画。

宇宙飛行士の夫が宇宙から帰って来ると、少し様子がヘンだ。やがて妻は妊娠する。妻は夫が宇宙人ではないかと疑り、出産を恐れる。

要は「ローズマリーの赤ちゃん」のエイリアン版。内容もだいたいそのまま。でもエイリアンは悪魔ほど資料が無いので、NASAの職員が情報をくれるくらい。あとは役者の演技まかせ。ジョニー・デップとシャーリーズ・セロンの力演が空しい。オールドSFっぽくて期待したのに…残念。

「マン・オブ・ザ・ムーン」

若くして死んだ、実在のコメディアン、アンディ・カウフマンの生涯を、「アマデウス」のM.フォアマンが描く。カウフマンはTVショウで打ち合わせの上スタッフと殴り合いをし、それを「やらせ」と認めようとはしないし、大学生相手の舞台では「華麗なるギャツビー」をまる一冊、朗読するだけ。乗るかそるかのギャグ。そるのが多い。だが山崎や出川のような「寒い芸人」ではない。

「客を怒らせてどうするんだよ!」

「客を驚かせたいんだ。自殺するのと、舞台に火をつける以外に何ができる。」

ショウビジネスが行きつくところまで行くとどうなるのかが描かれる。「ガキの使い」の分かりやすい「やらせ」など彼にはぬる過ぎるのだろう。カウフマンのギャグを見たいとは思わないが(笑えないと思う)、この映画は面白かった。カウフマンの楽しみ方としては正しいのではないか。

「ワンダーボーイズ」

「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督のコメディ。面白い。役者がみんな素晴らしい。映画だからと、とりたてて変な行動をすることなく、サスペンスも映画にしてはぬるい。登場人物はヒステリーも起こさず、肩を落としながらも困難に立ち向かう。人間ってそうなのさ。

延々と終わらない作品を書きつづける作家と、それを慕う学生と、原稿をとり立てたい編集。

「(創作課程の学生に)才能があろうと無かろうと、『続けろ』としか言えんだろう。」

「なんで(自分でも分からないような話を)書いてたんだ?」「…止められなかった。」

一発屋の作家、M・ダグラスのセリフが心に染みる。良い話だなぁ。

「エコエコアザラク」

加藤夏希のプロモーション映画になっていれば、まだ救われたものを。

子供が書いたような、わざとらしい脚本にしらけた演出があいまって、俗で退屈という一番悪いスポットに入ってしまった。作り手が登場人物の誰にも愛情を持っていないので映画自体が痛々しい。久々に作るべきでなかった映画を見た気がする。

加藤夏希ファンがこの映画を見ない事を願う。

「アンドリューNDR114」

アイザック・アシモフの「わたしはロボット」が愛と感動のラブストーリーになった。

むむむ、これでいいのか、アシモフ。

嫌だ。サム・ニールの演技にほろりとこようと、ぜったいに嫌だ。こんなのSFじゃない。クリス・コロンバスの「重いテーマを軽妙にわかりやすく」の演出も嫌だ。

ロボットが人間に憧れるのも、ロボットがセックスを過大評価するのもたくさんだ。ロボットが死を選ぶな。人間がロボットになれ。

「TATARI」

かって大量殺人があった病院の廃墟で一夜を過ごせば100万ドルをあげると、5人の男女が集められる。肝試しホラー。ジェフリー・ラッシュ演じる興行師と奥さんのカップルが面白い。(J・ラッシュはアカデミー賞とっても仕事を選ばない。偉い)

で、この5人があまりお金を欲しがっていない。わりとすぐ帰ろうとする。ふつうもう少し欲しがるだろう。結局閉じ込められて嫌が応にも一夜を過ごす。オープニングのキャラ紹介がひねくれていて、後半のショックが観客にも超常現象だかフェイクだかわからない。

こけおどしの映像は「ジェイコブスラダー」に似ている。話は「キングダム」っぽい。でもお化け屋敷みたいで、けっこう楽しかった。怖いからいいってモンでもないのだ。

「エンド・オブ・デイズ」

世紀末にサタンが人間になって現れ、選ばれた女と交わって受胎すると世界が滅ぶ。で、その女をカトリック教会と身辺保護の会社に勤めるシュワルツネッガーが守り抜く話。

ハリウッドが宗教を扱うと、即物的になって神も悪魔も安っぽくなる。…「最後の誘惑」は面白かったけど。あまり宗教がらみのアクション映画は作らないほうが良いのではないか。人間とサタンが戦えばサタンが勝つさ。悪魔側にきつい制約を課さなければ、なんとか食いとめていることすら嘘っぽい。

それにしてもピーター・ハイアムズ監督。大物シュワルツネッガーを迎えても、ここまでやっつけ仕事をするとは…人間が陶器のごとく砕け散るイメージなど「タイムコップ」の使いまわしだし…もう一回りしてカッコイイ感すらする。「カプリコン1」や「密殺集団」のような秀作をまた作れとは言わない。このまま何処までも行って下さい。

「イグジステンス」

「ヒデオドローム」のゲーム版な感じ。

2年前にビジネスジャンプに都市伝説と化したバーチャルゲームを手に入れた少年がゲームと現実の区別がつかなくなるネームを持ち込んだが、クローネンバーグの手に掛かると、似たような題材でも、こうも異なるものになるか。ゲーム機は両生類の内臓で作られ、壊れると血を噴き出す。ゲーム工場は、魚の解体場のようで、不潔で暗く、血まみれ。ゲーム会社同士が殺戮し合い、スパイ合戦を繰り広げる。

完全に個人的な映画だ。へんな映画だ。面白かったけど勧めにくい。ラストの現実感の無さが恐ろしい。

「ドグマ」

マット・ディモンとベン・アフレックの「グッド・ウィル・ハンティング」コンビが地上に落とされた天使を演じる。天使といいつつすぐに人を殺す、「ゴッド・アーミー」のオフビート版といったところ。

この二人が、とある教会を目指すロードムービーかと思ったら、もう一つ、この二人を阻止しようとする話の軸があり、そちらが主となる。オフビート感覚なら、「そんなこと信じられない」なんて聞き飽きたセリフを乱発するこちらの軸は要らないのではないか。頭の配線がキレた天使を見せてくれ。

面白かったのだが、もっと面白くできるのでは…という思いが。

「リトルヴォイス」

大好きな父親の遺品のレコードを、くり返し聞くうちに内気な娘が、天才歌手になっていた話。

ところがこのリトルヴォイスは人前で唄うのが嫌で、1度だけという約束で、嫌々唄う。「嫌なら唄うな」と言いたい。映画として盛り上がるクライマックスの舞台シーンと、ヒロインの嫌々さが、作品を分裂させているのではないか。

しかもラストには「ショウほど素敵な商売はない」が流れる。「オールザットジャズ」ならいざ知らず、このひとは舞台を「子供だまし」と嫌ってたじゃないですか。だったらショウビジネスに目覚める話にして下さい。

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