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ここには長谷川のポエムを載せようと思ったが、読み返すとかなりヤバイのでエッセイを載せることにした。

ポエムは別の機会に、たぶん「月とり」で。

おっさんギャグ

上の漫画は学研の依頼で描いた「現代日本史」の一部。

池田首相が「所得倍増計画」をぶち上げている。秘書らしき男のセリフは「物価も倍になるでしょう」と断定的だったのだが、編集に変えられている。経済の理屈で言えば、所得が倍になれば、物価も倍になるので少なくとも「所得倍増計画」というタイトルには意味が無い。聞こえがいいだけの目くらましだったのでは、と思って描いた。

ところで、この中にもう一つ変えられた個所がある。

池田首相の最後のセリフ「エチケットを学びたまえ」。

原稿には「エケチットを学びたまえ」と書いた。

池田首相が在任中にこう発言して失笑を買ったエピソードに由来しているのだが…編集が知らなかったらしい。

若い編集なのかな。さらに若い高校生にはわかるわけもなく…いささか不親切だったか。

笑いとは

だいぶ前、コンピュータとロボットの権威マービン・ミンスキー博士が「笑い」について書いた文章を読んだ。笑いはプログラムのエラーチェックをするプログラムと同じだそうだ。ただ日常生活から得られる間違った行動だけだと、チェック機能が硬直化し融通が利かなくなるので、日常から離れたもので汎用性のあるものをチェックプログラムとして必要とする、ということで。

なるほど、僕らが「良いギャグだな」と思うものは非日常でありながら一般性のあるものだし、「そんなわけないだろ」というエラーはギャグの基本だ。笑いが快感である理由も、それが必要だからだ。

そんなわけで、昔ヒッチコック劇場で聞いたエラーを。

「ある男が友人を殺そうと思い、毒の入った酒を飲ませ、胸を銃で撃ち、頭を鉄のパイプで何度も殴って海に投げ捨てました。この男、泳げなかったので死にました。」

ホーリー・アンド・ブライト

曲を聞くと思い出す映像がある。「ツラスツトゥラ」をきくと宇宙、「ワルキューレ」を聞くと海岸を飛ぶ軍用ヘリ。

「月とり」に時々サトケンが描いてくれた漫画はどれもこれも凄かった。最近では自分でブースを出して鬼畜系ガンダムエロを描いている。彼の月とり作品に「亡国粉砕カラデ」というのがあった。電車に大勢の空手家が乗り込んで、素手で電車を壊しまくるという内容だった。ラジカセでBGMにゴダイゴの「ホーリ&ブライト」を流しながら。

あまりのイメージの強烈さに圧倒された。以来ゴダイゴを聞くと、無数の空手家が走る電車を壊しているところを思い浮かべる。

西遊記?スリーナイン?…んなもん知らん。

http://shinjuku.cool.ne.jp/sayla/

インド人の黒んぼう

長崎県佐世保市には「インド人の黒んぼう」という遊びがある。鬼が壁に頭を向けて「インドォ人のぉくーろんぼっ」と言う間に仲間は鬼に近づいて行く。「ぼっ」のところで鬼が振り返ると皆は止まらなくてはならない。この時、少しでも動いてしまうと鬼に捕まってしまう。

この遊びは、全国共通だと思っていたら隣りの田舎郡に行った時、地元の子たちが同じ遊びをまったく違う掛け声でやっていた。

「インディアンのフンドシ!」

おれと兄貴はゲラゲラ笑った。「おいおい、そいは『インド人の黒んぼ」やろ。」

「ちがわーい、「インディアンのフンドシ』ばい」

田舎もんってばお話にならないね。

追記(イケダzombieに教えてもらったリンク→バージョン情報

さかなの歌

ときどき、あちこちの魚屋でかかっている歌がある。「サカナサカナサカナー、サカナを食べるとー、アタマアタマアタマー、アタマが良くーなるー。(中略)さぁ、みんなでサカナをたべよう。サカナが僕らを待ってーいーるー。」狂気夫人は九州でも聞いた事があると言っていた。全国の魚屋にあるのだろうか。どこで売っているのだ。いつも魚屋に訊こうと思いつつ言い出せない。

狂気夫人が唄っていた。「さぁ、楽しいポーレチカ、ポーレチカ、ポーレチカ、唄いましょうランラララ、踊りましょうルンルルル」。ポーレチカってなんだと訊いたら「知らないわよ」と言われた。何だ、ポーレチカって。

「三つ目が通る」の主題歌を唄うとどうしても「ヒュールルンルン、ヒュールルンルン、アアー渚のシンドバットー」になってしまう。

「ある日、森の中」で出会った熊さんは、なぜ最初に「お逃げなさい」と言ったのだろう。「遊撃隊」の悪の化身、新井のセリフ「逃げなさい。逃げられるところまで」と同じ意味だろうか。

問題

数学の角度の話がでたので、むかし見た問題を書く。

頂角20度の二等辺三角形の底角から図の様に引いた線が2辺と交わる点を結んでできるX(エックス)の角度を求めよ。

中学生レベルで解けるとはいえ、結構めんどくさい。

求める方法は2、3通りあるので、ぜひとも紙と鉛筆だけでチャレンジして欲しい。

答えは…自分で正確に書いて、分度器で計ってください。

図書館

よく図書館に行く。「ナポレオン」を描けと言われたときは3ヶ月通った。

その時、毎日朝から昼過ぎまで来ている兄ちゃんがいた。メモ帳にびっしり細かい字を書いている。料理の本のレシピを書き写していた。横にはすでに使い古したメモが何冊も積んである。本人には宝物なのだろう。いつ行ってもいるので、ある日開館前に行ってみると、果たして兄ちゃんはすでにいて待っていた。図書館はこういう人のためにあるのだ。

ある時、化粧や服がいかにも水商売な姉さんが来た。美人だった。だが本を読むタイプには見えない。あんな美人は何を読むのだろうと思って見ていると哲学書のコーナーで「ニコマコス倫理学」を取って借り出していた。…アリストテレスか。むむむ…

ちょっと、ってゆーかー、かなりー惚れたーみたいなー。

古代ギリシャ人

上の話のついでに古代ギリシャ人のことを。

ギリシャ哲学では、自然科学や道徳を根本的に考えるため、我々が当たり前と思うようなことを、しばしば「何故か」と問いかける。このため考えの浅い人間の目には「回りくどい」「子供っぽい」と映り、軽く馬鹿にされたりする。

この徹底ぶりは数学にも現れていた。たとえば、「ある角度をニ当分する線の引き方」の場合、我々はコンパスを3回使って簡単に引く。証明には二つの三角形の合同を使ってはい、おしまい。

ところが古代ギリシャ人はそんな答では許してくれない。まずあらゆる角度が二等分できることを証明しなくてはならない。三角形の合同条件を前程として認めてもらおうなんぞもってのほかである。証明は恐ろしく複雑になり、高校生レベルでは手が出ない。

我々の飛び石的な思考はギリシャ賢人たちの踏み台の上にある。

カット 坂口尚

恐ろしい仕事

何年も前、学研の小冊子のカットの仕事を受けた。「憧れ職業のすべてがわかる高一生の進路ガイド」。漫画家から薬剤師まであらゆる職業が紹介される。そのプロたちのイラストを描かなくてはならない。

「でも弁護士と検察官と公認会計士を描き分けるのは難しいなぁ」

「大丈夫ですよ、坂口尚さんの見本があるから」

「え?どういうこと」

なんでも、これまで毎年坂口尚のイラストを使ってきたのだが、さすがに古く見えるというので、チェンジすることにしたらしい。

「ちょ、ちょっと待ってください。坂口尚の絵を描き直すなんてできませんよ!」

「いや、長谷川さんなりの絵で描いてくださればけっこうですから。」

震える手で、学研でよく描いていた豚と鳥とキリンのキャラにいろんな職業のコスプレをさせた。子供は喜ぶかもしれないがプロの目から見ればレベルダウンは明らかだ。

坂口尚の描いた見本誌は今もとってある。自分のは、どっかいった。

性倒錯(澁澤龍彦の本から)

サディズム マゾヒズム 同性愛 スコプトフィリア(覗見症) エギジビショニズム(露出症) ネクロフィリア(死体愛好) ゾーエラスティア(獣姦) コプロラグニア(糞便嗜好) アントロポファジー(人肉嗜好) トランスヴェスティズム(服装倒錯) ペドフィリア(少年愛) ジェントロフィリア(老人愛) ピグマリオニズム(偶像愛) ウロラグニア(放尿と性の結びつき) クレプトラグニア(窃盗と性) オスフレジオラグニア(体臭と性) ピロラグニア(放火と性)

 …クンニリングス、フェラチオ、オナニズムものってたけど、これらはすでに「常識」に移ったということでよろしいか?

子供の間違い

興奮のウツボ 漁師の指とか食いちぎる狂暴な魚だから、興奮しているのだろう。

海のモズク 美味しいね。

手持ちぶたさん 手乗り豚みたいなもの。DNAをいじった。

家畜の勢い 動物の勢いだ。でも野生ほどではないかも。

 先日、幼稚園児にクイズをだす番組があった。「オッパイの大きな女の人をなんと言う?」(巨乳)の質問に園児はちょっと考えて「ふともも女王」と答えた。かっこいいー。

がんばれ資さん

九州工業大学の前に「資(すけ)さん」という、うどん&そばのチェーン店があった。

いかにも工場で大量生産したような麺だったが、妙に癖になる。夜中になると毎日の様に「月見そば」を食いに行った。天カスは入れ放題だった。学友と「手打ちじゃこの味は出せねぇよな」と、うなったもんだった。

先日、北九州の人から本の通販があったので、「資さんは、まだありますか。」と訊いたところ、「最近ますます勢力範囲を広げています。」という返事が来た。

ぜひに、ぜひに関東というか松戸まで広げて欲しい。「ユニクロ」と「資さん」に入れ替わって欲しいと切に願う。

  インテリ小朝

ずいぶん以前、春風亭小朝の落語で、「船徳」だかのまくらだったと思うが、面白い話を聞いた。

ある航空会社で北周りの飛行機に事故が多発した。翼が根元からぼっきり折れる。何度も同じ事故が起きて対策も尽き果て、重役は頭を抱えた。そこへ掃除夫のオジさんがアドバイスをする。「そんなの簡単でさぁ」

「えっ、なに?どうするんだ?」

「翼の根っ子に小さな穴をたくさん開けなさい。」

へんなアドバイスだと思ったが藁にもすがる思いでやってみると、果たして事故は無くなった。

いったいどうしてわかったんだ?と掃除夫に尋ねると

「なに、経験ですよ。長年、便所掃除してますが、トイレットペーパーがミシン目で綺麗に破れたのを見たことねぇ。」

  …これだけでも笑える話だが、後に大学で金属工学を専攻したときに、このバカ話の裏付けとも言える話を知った。

日露戦争の頃である。

北極海を航行する外国船がボコボコ沈んだ。日本の船は何故か沈まなかった。沈んだ船は船体が裂けていた。やがて原因がわかる。

鉄をはじめ金属は低温になるともろくなる。低温脆性(ぜいせい)破壊という。北極海の冷たい海水にさらされ、鉄の船体がこれを起こした。破壊のスピードは秒速数千メートル。一瞬で船体を亀裂が駆け巡る。まだ溶接が未熟だったせいもあるだろう。

では日本の船は何故無事だったか。木製だった? いやいや、溶接の技術がまだ無くて、鉄板をリベットで止めていたんだ。 リベットだと脆性破壊は起こらないの? 起こるけど、亀裂がリベットの穴にぶつかると止まっちゃうのだ。

…というわけでだいぶ遅れて考えオチができた僕でした。

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